【ゼロからはじめる初心者向け】「はじめてのタツノオトシゴ飼育マニュアル」その1
まずはベルリンシステムを理解しよう
海水魚飼育を始めたい。「何も判らない」「極力失敗したくない」「できるだけ楽をしたい」「ランニグコストを抑えたい」という方向けの内容です。
まずは自分が飼いたい魚のことを調べよう(いきなり生体や水槽を買わない)
・いきなり「マグロを飼いたい!」という方もいるかもしれませんが、まずは漠然と「ニモ(カクレクマノミ)やタツノオトシゴが飼いたい」と種類が決まっていれば、その魚のことをネットや図鑑で調べてみましょう。
その際は、「どれくらいの大きさになるか」「何を食べるか」「生息できる水温」は必ずチェックし、「気質(臆病、他の魚と喧嘩する等)」や「その魚の生態的な特徴(泳ぐのが下手、病気に弱い、穴を掘る)」などを調べましょう。特にこだわりが無い方は後から魚を決めれば良いと思います。
水替え回数が激減する仕組みを作ろう(オーバーフロー式水槽)
・ご自宅の状況などにもよりますが、水槽と水槽を置く台(キャビネット)が必要になります。
・必ず「オーバーフロー式水槽」を選ぶようにしてください(水替えの頻度と関係してきます)。オーバーフロー式水槽とは、キャビネットと水槽が一体化になっており、キャビネット内にも水を浄化するための機材(のちほど紹介するプロテインスキマー)を設置するための「サンプ」と呼ばれる水槽がセットされています。上部の水槽から配管を通じて水が落下し、サンプからポンプで水を汲み上げて、再度水槽の中に水を循環させるシステムです。
水量はオーバーフロー式水槽の場合、45センチ水槽でも総水量が100リットルほどになり、かなりの重量となるため、ご自宅の床の耐荷重や床補強、設置場所をよく確認してください。ホームセンターなどでコンパネを買ってきて下敷きにするなど、重量が分散するよう工夫すれば最近のマンション等では大丈夫だと思います。畳の上など、不安定な場所は避けた方が良いです。
・海水魚飼育の場合、オーバーフロー式水槽を設置し、後ほど紹介する、「プロテインスキマー(ベンチュリー式:水中ポンプが付いているもの)」という機械をサンプ槽へ設置することで、適正な数の生体飼育であれば、換水の頻度を数カ月に1回に激減できます。(もしかすると1年ぐらい大丈夫かも?私自身は半年に1度半分程度の換水をしています)
・オーバーフロー式水槽と、サンプ槽へのプロテインスキマー設置による、循環システムを「ベルリンシステム」と呼び、初期費用はかかるのですが、ランニングコストや労力を考えた場合、生体の飼育がしやすくなるだけでなく、結果的にコストは安くなります。おすすめは45センチ程度のオーバーフロー式水槽です(成魚でカクレクマノミであれば4~6匹程度、タツノオトシゴであれば3~5匹程度は十分飼育可能)。水槽は大きくなればなるほど水量が多くなるので、飼育自体はしやすくなりますが、たまに行う大掃除などが大変になるのでバランスを考えてください。
最初に検討する項目まとめ(ベルリンシステム)
・買いたい魚の生態を調べる(サイズ、餌、生息水温、特徴など)
・オーバーフロー式水槽(サイズ、設置場所、別途揚水用の水中ポンプも必要)
・プロテインスキマー(ベンチュリー式で水中ポンプが付いているもの、サンプ槽へ入るサイズ)
の導入を検討しましょう。次はその他の必要機材を紹介します。
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